館山ファミリーパークが5月末で閉園へ

 

読売新聞の県版から転載します。

 

 千葉県安房地域を代表する花の行楽施設「館山ファミリーパーク」(館山市布沼)が、新型コロナウイルス感染拡大の影響で来園者数が激減し、44年の歴史に幕を閉じることになった。施設が12日、5月31日での閉園を発表した。

 施設は1977年、太平洋に面した館山市の平砂浦海岸沿いに開園した。12月から咲き始める100万本のポピーが5月の大型連休まで楽しめ、花リースや香水作りの体験工房、パターゴルフ、釣りなども幅広い層に人気で、年間約10万人の観光客でにぎわってきた。

 2019年1月には、屋外の通年展示としては国内初となる巨大砂像(サンドアート)を導入し、新たな魅力を加えた。同年9月の台風15号などで施設の一部が損壊し、花畑の花が流失するなど大きな被害を受けたが、花を植え替えるなどして対応し、19年度の来園者数は前年度比3・5%減にとどまった。

 しかし、20年2月頃から新型コロナウイルスの影響が出始め、最初の緊急事態宣言を受けて同年4月8日から5月31日まで休園。今年に入ってからの2度目の宣言では時短営業を余儀なくされ、20年度の来園者数は同42%減と大幅に落ち込んだ。回復の見通しが立たないことから、閉園を決めた。

 営業担当の庄司裕喜さん(37)は「台風の被害は何とか乗り越えたが、コロナは次元が違った。観光バスがほとんど来なくなった」と肩を落とした。友人と横浜市から訪れていた女性(55)は「母や子どもを連れてくると大喜びだったので残念です」と話した。